【転職ストーリー】アーリーさんのケース

転職ストーリー

どんな人?

  • 30代男性
  • 転職回数2回(リファラル→リファラル)
  • Twitter ID:@NH7023

〜1社目

まず、法務のキャリアに入るまでのお話を聞かせていただけますか?

大学卒業後、法科大学院に進学し、司法試験を受験していました。
結局司法試験から撤退したあと、しばらくは法務系の人材紹介などを営む企業でインターンをしていたのですが、やはり法務を仕事にしたいと思ってはいました。その際、知人から「まずは1年間でも構わないので、法務に限らず何らか職歴をつけた方が良い」とのアドバイスを受けてリクナビに登録しました。
登録したあと、初めてスカウトをもらった会社からトントン拍子に内定が出て、そのままその会社に就職することになったので、それほど最初の就職に苦労した記憶はなかったです。

最初の就職先は、受託発開やいわゆるSESを行っている、従業員300人前後の非上場のIT企業でした。私以外に法務はいない、いわゆる一人法務でしたが、法務の業務割合はむしろ小さく、2割程度といったところでした。
法務以外の業務としては、人事や総務、ISMS事務局など、幅広い業務を担当していました。

給与はいかがでした?

給与は、残業手当と賞与を入れて400万円程度と説明された記憶があります。

順調にキャリアをスタートしたように思えるのですが、転職を考えるようになったきっかけはあったのでしょうか?

先程、法務以外の業務も担当していたと言いましたが、実のところ業務全体に占める法務の割合は2割程度でした。人事でいえば、勤怠や通勤手当のチェック、新卒採用の手伝いをしたり、総務でいえば給茶機の補充や電球交換のような雑務まで、かなり幅広くやっている社内のなんでも屋のような存在でしたね。
幅広く経験を積めるといえば聞こえはいいのですが、法務としての専門性を深めることは難しく、自分は管理系のゼネラリストの方向に行くしかないかと半分諦めていたんです。
そんな状況で、twitter経由で知った法務系ライトニングトークに参加したところ、様々な会社の法務の方が、法務の仕事について発表しているのを聞き、自分の中で法務でやっていきたい気持ちが大きくなり、であれば外に出るしかないな、と。

〜2社目

最初の就職時はリクナビからのエントリーとのことですが、2社目はどのようなチャネルを利用されたのですか?

なかなか空々しい質問ですね(笑)

筆者注
実は、次の転職は私がアーリーさんを誘って実現したものなので、私自身は当然知っているエピソードなのです。

次の転職は、いわゆるリファラルです。転職先の方からtwitterのDMでお誘をいいただき、そのまま面接を受け、転職しました。若手で、契約法務の実務を回せて、ISMSの実務を担当できる人を探していたところ、私の経験がハマったそうです。
右も左も分からない中、飛び交う専門用語の意味を調べながら必死に議事録を書いていたISMS事務局の業務経験が転職につながるとは思っていなかったので、何が先に繋がるかはわからないものだと思いました。

転職先は有名なサービスを運営する上場企業だったこともあり、スキル面での力不足を懸念し、面接でもその懸念をお伝えしたのですが、「若手を採用する際に重視するのは、積極的にインプットしたり、情報発信をする姿勢。その姿勢があれば、知識や経験はあとからいくらでも補える。今回声をかけたのは、その姿勢が良いと思ったから」と言われ、そうであればやってみようと思いました。

また、一人法務であった点も、「一人で仕事を回せる」という方向でポジティブに捉えていただいていたようです。

リファラルで入社した2社目は、どんな会社でしたか?

知名度の高いウェブサービスを運営する事業者で、上場企業。入社当時の従業員は200名前後で、法務のメンバーは、入社当時で部長を入れて6人だったと思います。

前職での給与が低かったこともあり、給与は転職に際してあがったのは嬉しかったです。

転職先では予定していた契約法務やISMS・個人情報周りを担当するとともに、経営会議などの会議体の事務局業務も経験することができました。
また、法務業務の効率化についても積極的に取り組み、社内ITのチームの力を借りて社内規程の管理をGitHubベースに切り替えたり、リーガルチェックのやり取りをメールベースからServiceNowに移管したりしました。

転職を通じて、法務を深堀りしたいという当初の目的は達成できたんですね。

そうですね。
専業でしっかり法務業務に取り組めたので、転職時の目的を達成でき、充実感がありました。

しかし、その後、経営体制に大きな変更があり、同僚の退職が続く時期がありました。それに伴い、法務を含む管理部門全体の効率化・外注化が進められ、徐々に仕事に対してそれまでのような楽しさを感じにくくなっていました。

会社の事業は好きでしたし、依頼部署との関係も良好だったのですが、会社に自分が必要とされていると思えくなったのが大きく、もう一度転職しようと決意しました。

〜3社目

前回はリファラルでの転職だったとのことですが、今回はどのようなチャネルを利用されたのでしょうか。

Bizreachを利用しました。
https://www.bizreach.jp/

登録後、すぐに募集企業やエージェントから10件以上ご連絡を頂きたのですが、正直なところ、私自身がどうというより、在籍企業のネームバリューが大きく寄与したのではないかと思います。

たくさんご連絡を頂いたのは嬉しかったのですが、そのほとんどは自分の経験やスキルセットを踏まえない文面であったため、唯一これまでの業務実績を踏まえてよかった点などに言及していただいていたエージェントさんにだけご返信し、面談をすることになりました。

面談でもスカウトの文面通り、私のやりたいことをしっかりヒアリングして頂いた上で、「であればここがおすすめです」という感じで1社をピンポイントで紹介されました。BtoBのSaaS企業で、今まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで業容拡大中の企業で、私の希望としっかり合致していました。

それと同時に、転職を考えていると伝えた元同僚からも声をかけられたので、その2社を候補企業として転職活動を開始しました。

2社の選考の様子はいかがでしたか?

元同僚から声をかけられた会社は、面接官が知己だったこともあり、面接というより顔合わせ、転職意思の確認といったトーンでした。

エージェントから紹介された会社は一次面接が法務の責任者、二次面接が役員で、一次面接では法務の業務効率化施策などについて意気投合し、2時間話し込みました。面接というより、意見交換をしたような感じで手応えがあり、実際に無事二次面接に進みました。
在籍企業で自分が会社の役に立っているのかわからなくなっていたところ、これまでの経験を肯定的に評価していただいたことで救われた記憶があります。

二次面接前に元同僚から誘われた企業に行く心づもりを決めた状態ではあったのですが、自分の市場価値を測る意味でもしっかり最後まで受け切ろうと思い、二次面接に臨みました。この会社は前職給与を考慮せずに給与提示をするとエージェントから聞いていたため、その前提でどの程度の年収を提示されるのかに興味があったのです。
一次面接と打って変わって二次面接では全く手応えを感じられず、落ちてしまったので、結局給与提示を受けることはできなかったのですが(笑)

これから転職する方へのメッセージ

では、最後に、これから転職をしようと考えている法務の方に、一言お願いします。

今の時代、インターネットを通じて情報発信や他社の法務の方とのネットワークを作ることがどんどん容易になってきています。
日々の目の前の業務に向き合いつつ、客観的に自己の業務の市場価値を高めるために何ができるか(自己研鑽、社内で仕事を取りに行く等)を考え実践しながら、自ら情報発信をすることで自分の理想とするキャリアに近づいていくことができると思います。

ありがとうございました!